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霊長類最強「カレリン」

霊長類最強「カレリン」

人間離れした数々の記録の持ち主

今でこそ「霊長類最強」という形容詞はあちこちで聞かれるようになっていますが、このもとになった人物こそがアレクサンドル・カレリンです。

アレクサンドル・カレリンは本名をアレクサンドル・アレクサンドロヴィチ・カレリンといい、ロシア出身のレスリング選手として活躍をしました。

身長191cm体重130kgという欧米でも珍しいほどの大きな体格の持ち主であったこともあり、グレコローマンレスリングの最も重いクラスとなる130kg級で長く選手としての実績を残しています。

圧巻なのが、ふつうならば一生に1回出られるかどうかという4年に1回のオリンピックにおいて3度も出場をしたばかりか、三大会連続で金メダルを獲得しているということです。

他にも現役選手として活躍する間には国際大会で13年間無敗かつ大会76連勝という記録を残しており、世界選手権9連覇、欧州選手権10連覇と、文字通り勝てる相手がいないという状態を続けてきました。

現在は日本の自衛隊体育学校で講師として招聘されるなど各地で格闘技に関わる活動を積極的に展開しています。

並外れた筋肉と知的な性格

カレリンの体格である191cm130kgという数字は、非常にバランスがとれた選手として最高のコンディションであったとされています。

選手としての全盛期には背筋力は400kgを超えていたと言われており、これは平均的な20代男性の背筋力が140~145kgとされていることと比較すればどのくらいのすごさかがわかるでしょう。

カレリンの怪力を伝える話として残っているのが、引っ越しの時に冷蔵庫や家具など重さ約120kgにもおよぶような荷物を一人で持って1階から8階まで登ったということです。

そんなものすごい力を持ったカレリンでしたが、性格は非常に紳士的でありまた知的な人であったと言われています。

それを象徴するのが、レスリングで強くなる方法は何かというインタビューを受けたときの回答として「読書」と答えたという話です。

カレリンが言うには、レスリングでは二度同じ状況は起きないので、その状況を認識して対応するためには自分の中にボキャブラリーを持っておかないといけないということです。

自分の肉体的な強さだけに頼らなかったからこそ、長年に渡りその強さを維持できたのだろうということがうかがえますね。

日本での知名度は今ひとつなのが残念

そんな世界最強とも言われているカレリンですが、残念なことに日本国内での知名度は今ひとつです。

これはカレリンが選手としての全盛期を迎えていた時代の政治情勢にも関係しており、前人未到の大活躍をしてきたにもかかわらず、ロシアの選手を大々的に持ち上げるということが日本ではできにくかったようです。

しかしそののちの活動などにより、日本のプロレスファンをはじめとし格闘技好きな人たちから改めてその実績に敬意を表する人たちも増えてきています。

格闘漫画の刃牙でもカレリンをモデルにした最強レスラーが登場するなどしており、その強烈なキャラクターは今も多くの人に愛される存在になっています。