ターミネーター

ターミネーター

世に大きな影響を与えた「ターミネーター2」

シリーズものは、2作目が面白いとよく言われます。
その通説に倣って、「ターミネーター」も2作目が前作を超えた大きな話題になりました。
世の中に、与えた影響も大きかったのではないでしょうか。

アメリカのSF映画「ターミネーター2」は1984年の前作から、7年たった1991年に作られました。
新型ゾンビが現れるなど、人々の記憶に深く刻まれた作品です。
その人気は、わずか4日で、前作の興行収入を抜くという数字を示したほどでした。

ヒロインの息子や敵役も人気が高い

主役以外の出演者たちの人気も、凄まじいものでした。
中でも、ヒロインのサラ・コナーの息子であるジョンを演じたエドワード・ファーロングの人気は、すごいものでCMにも出演するほどだったのです。

そして、最強の敵T-1000を演じたロバート・パトリックも大人気でした。
彼は、「ダイハード2」を観たジェームズ・キャメロン監督によって抜擢されたそうです。

脚本の功名な技

「ターミネーター2」の魅力は、脚本の功名さにありました。
何と、前作の敵が味方になるという意外性や家族の愛を描くという感動的なシーンも、取り入れています。
クライマックスでは、観客泣かせのシーンも多数あるというアクション映画にはないような技が素晴らしいです。

その内容をご紹介します。
前作から10年経ち、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800と共に戦ったリンダ・ハミルトンが演じるサラは、核戦争を阻止しようとしたために、警察の精神病院に収監されました。
そんな時に、サラの息子で世界のリーダーとなるべきジョンを、殺そうと企む刺客T-1000が現れました。
ジョンを守ろうとするT-800との闘いが始まります。

前作よりも上回る演出

前作をうまく絡み合わせた演出も魅力的です。
冒頭は人類と機械の戦いのシーンで、戦車がしゃれこうべをつぶすというシーンは、前作を彷彿させます。
とはいえ、前作を超える演出だったのです。

前作ではラストに少しだけ登場したメタルのターミネーターが、2では冒頭に、多数現れます。
そして、前作では余り数が多くなかった戦闘機も、2では数多く登場するという感じでした。
こういったところのみでも、前作を上回った演出がうかがえます。

ターミネーターの冷酷さと人間愛

「ターミネーター2」は、当時の最新技術を駆使して、ターミネーターの表情などを作っています。
そのために、ターミネーターは前作と確実に変わったのです。

T-1000は表情が人間に近づいた感じで、冷徹な不気味さが漂います。
攻撃スタイルは残酷で、体を自由自在に変えて刃物のようになるなど、殺されるシーンも残酷です。

それに比べ、T-800は表情に変化があり、ニヤッと笑うシーンもありました。
また、人間らしい感情が入っていて、ジョンに「人殺しはいけない。」など、道徳的な精神を説くようになり、サラやジョンと疑似家族になっていきます。
ただ単に、少年とロボットの絆を描く以上の深いねらいがある映画です。