ロボコップ

ロボコップ

「ロボコップ」はSFアクション映画

「ロボコップ」は1987年に公開されたアメリカ映画で、殉職した警官の体を使って動いているサイボーグ警官「ロボコップ」の活躍を描いたSFアクションものです。
主人公はサイボーグという設定ですが、関わった会社の関係で、ロボという言葉が使われています。
舞台は近未来のデトロイト市で、かつては自動車産業で栄えていた町も、犯罪で廃れてしまっているという設定です。
ロボコップは、この街で犯罪と戦っていくという話で、時折、人間だった時の記憶の断片がよみがえる感動的なシーンなどもあります。

「ロボコップ」の魅力は人間だった頃の記憶

「ロボコップ」はアクションシーンが多い映画ですが、ヒューマンドラマの味わいがあります。
その中で魅力的なのは、時折、ロボコップが人間だった頃を思い出すとき切ない思いです。

たとえば、ロボコップが人間だった時、奥さんと子供と3人で住んでいた家が出てくるシーンです。
この家を見たロボコップは、幸せに暮らしていた頃の記憶がよみがえり、複雑な気持ちになります。
ロボットの体になった自分の現実を、受け止めきれないのでしょう。
このシーンの切なさは涙を誘います。

そして、このシーンは監督のポール・ヴァーホーヴェンにとっても、感動的だったシーンなので、熱を入れて演出したそうです。
その熱意が映画を通して、人々に伝わり、感動を促したのでしょう。

銃撃やカーチェイスのシーンの迫力

映画の最初の銃撃シーンは、素晴らしい迫力なので、アクション好きの人も満足できるでしょう。
さらに、クラレンス一味とのカーチェイスも、気迫が伝わってきます。
カーチェイスは、車同士でぶつかり合うというシーンですが、画面を見ながら引き込まれそうな感じです。
アメリカの映画ならではのアクションシーンと言えます。

キリストの復活を思わせるシーン

実は監督のヴァーホーヴェンや脚本のエド・ニューマイヤーは、「ロボコップ」をキリストの復活劇として、とらえています。
クライマックスの製鉄所で、ロボコップの体の持ち主だった警官のマーフィーがよみがえるのです。
これは、キリストの復活をイメージしたシーンになります。

このシーンはドイツ人のヨスト・ヴァカーノという監督によるものです。
撮る際に、彼はポール・ヴァーホーヴェン監督に「「きれいに撮ってほしい。」と頼まれていました。
そのため、ヴァカーノ監督は最新の注意を払って、このシーンをものすごくきれいに撮影したそうです。

さらに、ロボコップの体になっているマーフィの腕が、撃たれで飛ばされるシーンは、キリストが磔にされる場面をイメージしています。
このように、ロボコップは、深い意味のあるSFアクション映画なのです。