ガンダム

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ガンダムの何が心をひきつけるのか

私のような中年世代にとってガンダムは青春時代の思い出のようになっています。

同年代の女性に尋ねても案外ガンダムを特別視している人は少なく、むしろ「ガンダム好き」ということで冷たい目を向けられてしまうということもあります。

ガンダムはこれまで数多くのシリーズが制作されてきた現在の10代にもファンの多い作品ですが、40代くらいの世代にとってはやっぱりファーストガンダムを超える作品というものはないというのが正直な感想です。

後世のガンダムから入った人からは怒られるかもしれませんが、ファーストガンダムをリアルタイムで見たということのインパクトは相当なものであり、あのリアリティはガンダムシリーズのみならず全てのアニメでも見かけることができないものです。

ファーストガンダムが最も革新的だったのが、初めて戦争兵器として人間型ロボットを登場させたという点です。

その後にはガンダムの人気を受け継ぐ形でロボット兵器をモデルにしたアニメも数多く登場してきましたが、軍隊の内部の人間関係にロボットの性能や操作を絡めてドラマにしていたというところでガンダムほどのリアリティはやはり感じられません。

またガンダムのような乗用ロボットだけでなく、小型のロボットも数多く登場していたというところもロボットを身近に感じさせることになりました。

普通の人間がヒーローになれるという可能性

ファーストガンダムについてあまり詳しくないという人も、主人公のアムロ・レイのことくらいは知っているのではないかと思います。

アムロ・レイはその後にエースパイロットとしてガンダムシリーズを長期に通じて活躍するキャラクターに成長していくことになるのですが、初めて搭乗したときにはほとんど素人のしかもちょっとオタクっぽい内向的な性格をしていました。

普通ロボットアニメの主役でエースパイロットと言えば、熱いハートを持った情熱的な性格をしており、周囲の人間をグイグイと引っ張っていくタイプを思い浮かべますが、その真逆のタイプの主役を持ってきたというところもまたガンダムシリーズのリアリティを醸しだしています。

最初は弱虫で見ていて共感しつつもイライラもしてしまうアムロがどんどん成長して大人になっていく様子は同年代の私達にとっては自らの経験にも重なるロマンがあります。

ロボットとしてのガンダム

乗り物としてのガンダムシリーズでもう一つ書いておきたいのが、それまでのスーパーロボットアニメと異なり、搭乗場所が機体の胸の部分にあるということです。

スーパーロボットや特撮ヒーローではパイロットはロボットの頭部に乗り込むという方法がとられています。

ですが実用性ということでいうとパイロットの場所は頭部よりも胸部である方がよいだろうと考えられます。

その後のロボットアニメでは胸部に乗り込むタイプが増えていったというのもガンダムの影響だと思います。