エクス・マキナ

エクス・マキナ

エクス・マキナは女性のAIロボットを扱った作品

「エクス・マキナ」は、2015年公開のイギリスのSFスリラー映画です。
監督、脚本はアレックス・ガーランドで、この作品が彼の監督デビュー作でした。
「エクス・マキナ」はラテン語の”ex machina”からと思われます。
その意味は「機械でつくられている」ということです。

その内容は大手のIT企業のプログラマーであるケイレブは、山の中にある社長宅を訪問します。
社長のネイサンはそこで、女性のAIロボットを所有していました。
彼は、制作中のロボットを実用化するための実験をケイレブに頼んだのです。

ヒューマノイド「エヴァ」はどんな存在か

この映画に出てくる女性のAIロボットは、ヒューマノイド「エヴァ」です。
ネイサンは、この「エヴァ」に人口知能とロボットとしての技術の両方を、搭載しようとしていました。
ケイレブは、美しく無垢な存在の「エヴァ」に恋をしますが、「エヴァ」が彼の気持ちを理解できるのかどうかは、この映画の見どころでしょう。
AIが人間のような感情をもつか、人間のようなふるまいができるかということは、多くの科学者による課題でもあります。

「チューリングテスト」について

この映画のテーマにもなる「チューリングテスト」はどのようなものなのか、ご紹介します。
実は、「チューリングテスト」は実際に行われたものでした。

1950年、アラン・チューリング氏によって考えられた試験ので、人工知能の学術分野ではよく知られています。
審査員が存在して、その人達は画面の文字で、相手と会話をするのです。
それのみで、相手が人間であるか、AIであるかを判断します。
現代的にすると、LINEやMessengerアプリのみのやりとりで、相手を判断するということです。

30%以上がAIを人間と判断したら、AIが人間らしいふるまいができたということになります。
しかし、結果はAIを人間と判断した審査員は、ほとんどいませんでした。
この結果からみても、AIは人とは違うのだということが分かります。

人間に近いAIを目指している人類

この映画にでてくるエヴァのような人間に近いAIの存在を、生み出そうとしている動きは実際にあります。
たとえば、ソフトバンクロボティクスで開発された「Pepper」です。
そのロボットは、白い色で人のような形をしていることで、多くの人々に知られています。
家族として、受け入れられることを目標に開発された「Pepper」は、人の気持ちを読み取り、ロボット自身も感情をもてることが目標です。

「オルタ」というAI搭載の上半身のみの機械人間も、東京大学の研究チームで、実験されています。
「オルタ」は顔に表情はあるのですが、人口の皮膚をまとっている部分と機械むき出しの部分に分かれた体です。
「オルタ」は感情を持てるのか、人は「オルタ」を心から愛せるのかという課題が蓄積されています。