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忍者の食文化

忍者の食文化

忍者が普段から食べていたものとは?

忍者は体術もそうですが、独特の生活習慣を持っていたということでもよく知られています。

中でも食生活においては独特の習慣を持っていたとされており、東洋医学のような医食同源に基づく健康的な食事をしていたとも伝えられます。

普段の食事はかなり質素であり、雑穀やイモ類を中心にその他に松の実やシイ、クワ、グミといった木の実をとって食べていたとも言われます。

また日本の伝統加工食品には保存期間の長い食品がいくつかありますが、それらの大半は忍者が携帯用食料として利用していたと伝えられます。

梅干し、豆腐、味噌、漬物などを普段から加工し食していたとされていることから、かなり健康状態はよかったと見てもよいでしょう。

こうした食生活は忍者という仕事をしていくときに必要となる長期間の潜入や張り込みに備えるという意味もあり、小さくても栄養価の高い木の実は特に好まれていました。

忍者は中国から伝えられた漢方や栄養のための知識をよく吸収しており、かなり東洋医学の思想をもとにした食事をとっていたということがわかっています。

その代表が「黒五」と言われる黒米、黒大豆、黒カリン、黒ゴマ、黒松の実の五種類の黒い食品で、普段の食事だけでなく携帯用にも使用されていました。

勘を研ぎ澄ますための食事とは

忍者にとって大事なのは身体能力の向上だけではありません。

少人数の単位で行動しそこで任務遂行のための方法を考えていくという仕事から、肉体だけでなく精神力も一緒に鍛えていくということが必要になります。

先に説明をしたような健康食品は体の健康を保つだけでなく、人の集中力を高めたり思考力を高めるということにも役だちます。

他にも普段の食べ物として野菜類を多くとったりうずらの卵を食べたりといったこともあったようで、いずれも頭の働きを高めて直感力を高める効果が得られます。

実際に忍者が忍術を使えたかどうかという部分については諸説がありますが、そうした食生活から推察するに一般の農民や武士などと比べて鋭い勘を持っていたということは言えそうです。

もう一つ忍者の食生活の大きな特徴となっているのが、体臭のもとになるとされるような臭いの強い食品は決して食べなかったということです。

ニラやにんにく、ネギ類は健康効果は高いものの、食べた後しばらくは強い臭いが残ってしまうという特徴があります。

ですので仮に栄養価が高くてもそのあたりは避けていたというふうに伝えられています。

究極の携帯食「兵糧丸」とは

忍者の食事の話題で必ず登場するのが「兵糧丸」という携帯用の食品です。

中身についてはいろいろな説があるものの、基本的には体に必要な栄養分をまるごと詰め込んで一口大にした食品として知られています。

主な材料には米、もち米、麦、ゴマ、はちみつ、砂糖などといったもので、そこに蓮肉 、山薬 、桂心、ヨクイニン 、人参などの漢方を練り込むこともあったようです。

レシピはその忍者組織のトップシークレットとなっており、地域によってかなり作り方に差があります。

この兵糧丸は「一口食べれば一日動ける」というほど大変に栄養価が高いもので、忍者以外にも遠方に出兵する兵士たちが食べていたという記録もあります。

兵糧丸まで手のこんだもの以外にも、「干し米」というお米を天日で乾燥させた食品もありました。

忍者が作り出した日本の伝統食もあり、現在世界的に健康食として評価を受けている日本食のもとも忍者が作ったと言えるのかもしれません。