カスピトラ
絶滅してしまった幻のトラ
私達は普段「トラ」というと茶色がかった毛並みに黒い縞模様の動物をぱっと思い浮かべますが、実はそんなトラにもいくつかの種類があります。
動物園やサファリパークなどにいくとその動物の種類が詳しく説明してありますが、日本国内で見られるトラはすべて海外から持ち込まれたものであり、そのほとんどがアジア地域からとなっています。
具体的には主にインドに生息するベンガルトラや、中国から東南アジアに生息するインドシナトラ、またマレーシアに生息するマレートラあたりが一般的です。
トラはもともとアジア地域が最も多く生息する地域となっており、同じ「百獣の王」でもライオンがアフリカ地域に多く見られることと違いがあります。
しかしアジアのトラは年々個体数が急激に減少してきており、既にバリ島にいたバリトラや、アフガニスタンなどにいたカスピトラ、インドネシア・ジャワ島にいたジャワトラは絶滅をしてしまったことが研究によりわかっています。
カスピトラの特徴について
カスピトラは、名前の示すとおりアフガニスタンのカスピ海沿岸の地域に多く生息していたことからこの名前が付けられました。
他のトラと少し違うのが頭の下側部分に長目の毛が生えていることで、まるでヒゲのような見た目になっていたことです。
カスピトラの毛皮や骨は高額取引をされることもあり、それが乱獲を招いてしまったのでした。
現在ではカスピトラの骨には科学的な薬効はないとされているので、全く無駄に多くの生命が狩られてしまったということになります。
カスピトラは既に完全に絶滅したとされているのですが、その後の調査によりその亜種であるアムールトラは現在も生息していることが確認されています。
しかしこちらも依然として絶滅の危機にあるということで、今後はより一層の自然保護が求められています。